利用の手引き

 

Toccata 典拠検索サイトは, 音楽・録音・映像資料の目録作成とその維持管理のために作成・蓄積されてきた典拠ファイルを, グローバルコミュニケーションズ株式会社 (GCI) が開発した超高速・高性能検索エンジン「Jieks」に乗せたデータベースです. 今や図書館の目録作業に不可欠であるとされる典拠ファイルですが, LC (Library of Congress = 米国議会図書館) を中心として国際標準となっている水準に比べて, 内容の識別方法 (フォーマット) をも含め, 日本の置かれた現状には厳しいものがあります. Toccata 典拠ファイルは, IFLA (International Federation of Library Associations = 国際図書館連盟) が定めた機能水準を全て満たす典拠レコード・フォーマットに基づいて作成されています.

 

このページと関係文書では, 典拠ファイル, 典拠コントロールの意義なども含め, 典拠レコードを検索する方法 (検索項目, 検索キーの入力方法, 検索結果の表示) などを紹介しています.

 

 

関係文書 (リンク)

 

目録検索と典拠コントロール

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Toccata 典拠レコード・フォーマットの概要

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典拠レコード・フォーマット・クイック・レファレンス

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ガイド・ツアー: 検索方法と実例集

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典拠コントロールはなぜ必要?

 

図書館で資料を探すには・・・目録作業と検索

目録作業の要点は, 資料現品の代用となる書誌情報を作成し, それを探索する目録ユーザーとの接点となるアクセス・ポイントを追加して目録ユーザーからの検索に備えることにあります. 一方, 図書館資料を探す目録ユーザーは, この過程の逆をたどります. つまり, アクセス・ポイントを手がかりに目録データベースを探索し, その書誌記述の内容によって要求度を判断し, それが求めるものであれば所在情報から資料現品にたどり着くというプロセスになります. このように, 図書館の所蔵する資料とそれを探そうとするユーザーとの最初の接点がアクセス・ポイントであるとい事実からもその重要性が分かります.

 

アクセス・ポイントの種類

アクセス・ポイントには個人名やタイトルなどの, 書誌情報そのものに関するもの (記述標目) , 著作物の主題内容に関するもの (主題標目) があり, 後者がカタロガーによる主題分析作業, つまり個人による内容判断を伴うことが大きな違いです.

 

標目の排他性と体系的な形式

図書館目録の標目 (アクセス・ポイント) には出版物のタイトル (記述タイトル) 以外のすべてのものに排他性が求められます. つまり, たまたま名前が同じというだけで, ある人物や団体の著作が別の人物や団体の著作とされることがあってはいけないということなのです. 一方で主題 (件名標目), 統一タイトルなど, 検索時に類似した事象や作品を集合的に扱いたいという種類のアクセス・ポイントもあります. 標目を類似した形に構築すると同時に限定語を付記して個別化を実現するという技術も必要です.

 

典拠コントロールによって標目の孤立化を防ぐ

一方で, 目録規則によって作られる標目は, 必ずしも一般的に知られた形ばかりとは限りません. しかも, 書誌レコードには1つの形しか入力しないのが国際標準です (この意味で, 標目は孤立した状態であると言えます). 標目とは統一された形ですから, 知ってしまえばその標目が付与された書誌レコードを一度で全て検索できます. その意味からも, 標目にたどり着けないという事態は避けなければなりません. 利用者にとって検索できないことは所蔵していないことと等しいからです. 標目の孤立を防ぐ手立ては, 参照標目などからの多面的・多角的な検索を可能にする典拠ファイルの機能を駆使した典拠コントロール以外にありません. この検索サイトが目指したのは, 典拠コントロールを駆使して典拠標目に早く, または楽に到達する仕組みを提供できるか, ということにあります. このことが, 検索時間の短縮, つまり目録ユーザーの検索コストの軽減にもつながると考えるからです.